分散方法が異なる濃厚スラリーの凝集性評価
分散方法が違う濃厚スラリーの粒子径分布を希釈せずにそのまま測定、凝集性評価を行う事で、最適な処理方法を迅速に求める事が可能となります。
【測定法概要】
超音波式濃厚系粒子径分布・ゼータ電位測定装置は、光学系を用いた粒子径測定装置とは違い、超音波を用いて計測を行います。その為、光学系を用いた方式では難しい濃厚系(~50vol%)の測定が可能です。当装置ではゼータ電位測定も可能ですので、濃厚系スラリーが、どのような状態かを原液のまま把握する事が可能です。
【解析事例】
サンプル:粒子濃度10vol%のアルミナスラリーを希硝酸によりpH4に調整したもの
前処理:スラリーの混合方法を一方はマグネチックスターラーで5分間撹拌、
もう一方は超音波ホモジナイザーで1分間分散処理したもの。
測定データ
図1:各々の超音波減衰スペクトルの生データ
図2:図1を解析して粒子径分布データにしたもの
結果考察
マグネチックスターラーで攪拌したスラリーの粒子径ピークは二峰性で小さい方は0.29μm、大きい方のピークは1.1μmとなっており、大きい方は凝集粒子と考えられます。超音波ホモジナイザーで分散したスラリーは粒子径ピークが小さいもの一つしか無い為、凝集粒子が無いと考えられます。このことから超音波処理により、凝集粒子が壊れて無くなったことが分かります。