黒インクの分散安定性を原液のまま評価する方法
インクは黒など色によっては通常の光学系を用いた粒子径分布測定装置などで、原液のままで評価することは困難です。
遠心沈降方式分散安定性評価装置LUMiSizerであれば、光学系を用いた評価装置ながら、ライトファクターと言われる検出器の感度を調整する機能があり、その機能を使用することで濃度に応じた評価が可能になります。
遠心沈降法を用いた測定
赤、青、ピンクは上澄み部分の透過率が80%程度になっており、挙動も把握しやすくなっている事が分かる。黒のインクは透過率が10%以下であり、検出は出来ているが挙動の把握がしずらくなっている。
【動画】 測定中の粒子の挙動(プロファイルの動き)
沈降速度の換算
沈降速度を専用のソフトウェアで算出した結果を測定時の加速Gで割った物が下記になります。赤、青はほぼ同じ値で、1ヶ月あたり1mm程度の上澄みが出来る結果になっています。黒は1ヶ月あたり0.3mmと他のインクに比べ分散安定性が高いことが分かります。
サンプル名 |
沈降速度 |
加速G |
mm/month(1G換算) |
---|---|---|---|
赤 |
2,202 |
2,054 |
1.072 |
青 |
2,576 |
2,042 |
1.262 |
黒 |
642.2 |
2,055 |
0.313 |
感度調整機能(ライトファクター)を用いた測定
感度調整機能(ライトファクター)を用いて黒インクを測定しました。上澄み部分の透過率がライトファクター無しだと5%程度だったものが15%程度と3倍程度になり、情報量が増えたことが分かる。ライトファクターを用いた測定結果を見ると大きな(重い)粒子が沈降した後、小さな(軽い)粒子がゆっくり沈降していると思われる挙動が見られる。
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